コーニッシュレックス

コーニッシュレックスの歴史

品種名のコーニッシュレックスは、出身地であるイギリス・コーンウォール州を指す「コーニッシュ」と遺伝的な専門用語で巻き毛を意味する「レックス」から付けられました。1950年7月21日、この地の農家エニズモア家で飼われていたメス猫のエレナが、5頭の子猫を生みました。子猫の中の1頭は全身を巻き毛で覆われている不思議な被毛をしていました。短毛の母猫から生まれた突然変異のこの猫は「カリバンカー」と名付けられ、コーニッシュレックスの基礎となりました。

エニズモア家のニーナ夫人は、遺伝学者であり獣医でもあるジュード氏に相談し、巻き毛を固定化するための繁殖計画を始めました。最初にカリバンカーと母猫のレックスを交配したところ、生まれた子猫3頭のうち1頭はオスの巻き毛でした。この子を「ポルドリュー」と名付け、以降、カリバンカーとレックス、ポルドリューとレックスという母子交配、母孫交配という近親交配で得た子猫を基礎に、巻き毛の猫の出現確率を高めるように育種を続けました。
やがて、メスの巻き毛の子猫も生まれるようになり、オレンジ・ガール、ミリー・ブリム、ラブデーの3頭のメスとカリバンカー、ポルドリューの近親交配が行われ、非常に高い確率で巻き毛の子猫が生まれるようになりました。
ところが、1956年には、育種にかかる莫大な費用負担に耐え切れず、エニズモア家は猫の処分に追い込まれてしまいます。悲しいことに、わずか6歳のカリバンカーと母猫セレナもその運命をたどりました。さらに不運なことに、残されたポルドリューも遺伝子検査の過程で生殖能力を失うというアクシデントに見舞われてしまい、コーニッシュレックスたちは一時、絶滅の危機に瀕することになったのです。

しかし、この事態は逆にコーニッシュレックスたちには幸いであったかも知れません。ポルドリューの子どもたちは、繁殖を引き継いだ人々の手によって、巻き毛同士、近親同士にかかわらず、遺伝子のキャリアである個体と発現する個体を見極めながら、慎重に繁殖を重ねられていきました。その後、1957年にはイギリスからアメリカへ初めてのコーニッシュレックスたちが輸出されるまでになりました。

非常に興味深いことに、1953年頃にはアメリカでも、突然変異の巻き毛の子猫が誕生しています。コーニッシュレックスとは直接の因果関係はないものと推定されていますが、こちらの巻き毛はアメリカンレックスとして、育種されることになりました。

コーニッシュレックスの飼い方

非常に賢く、一方で幼い面が残る猫で、いつまでも遊びたがる子が多いようです。キャットタワーの設置や、猫の気を引きそうなおもちゃなどを用意してあげると良いでしょう。
後ろ足のばねが素晴らしく、わずかなステップで高いところへ駆け上がります。猫に危険なものは高いところに置くのではなく、引き出しなどにしまっておくようにしてください。
また、高所であっても戸棚の扉を閉めておかないと、コーニッシュが入り込んでしまうことがあります。

人間が大好きな猫で、しつけはしやすく、飼育は難しくありません。ただし、かまってやらない、留守番が多い、人間の赤ちゃんやほかのペットへの嫉妬などで体調を崩すことがあるかもしれません。

シングルコートの短毛で被毛の手入れは楽です。
猫はシャンプー嫌いな子が多いので、できれば子猫の頃から慣れさせておきたいものです。

コーニッシュレックスの毛色

ホワイト、クリーム、ブラック、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーンやこれらの斑模様があります。

コーニッシュレックスの気を付けたい病気

コーニッシュレックスは1950年代に生まれた比較的新しい猫種であり、育種途上の近親交配の影響を完全に脱しているとは言えません。すべてのコーニッシュに起こるわけではありませんが、遺伝的に起こりやすい肥大型心筋症には注意が必要です。若く健康なうちに元気がない、ぐったりしていることが多いようなら、動物病院で検査を受けましょう。

独特の被毛のために紫外線と寒さには大変弱い猫です。適切な温度管理がされた室内で飼育をしましょう。

後肢には筋肉がしっかりつき、高く飛び上がることのできる運動能力の高い猫ですが、特に発育途上は細い前肢に負担がかかることがあります。高いところに飛び乗った後、飛び降りるときには着地する前肢に大きな負荷がかかりますので、足場を用意してあげてください。

コーニッシュレックスの価格相場

グループサイト、『みんなの子猫ブリーダー』における、コーニッシュレックスの直近3ヶ月間の子猫ご成約時の平均価格は約30万円、最高価格は30万円、最低価格は30万円です。
※一般的に子猫の価格は猫種スタンダードに近いかどうか、血統、顔、毛色、体の大きさ、月齢などの要因で変動します。