チャイニーズ・リー・ファ

チャイニーズ・リー・ファの歴史

チャイニーズ・リー・ファは「ドラゴン・リー」あるいは「リー・ファ・マオ」という名前で呼ばれている中国古来から存在する土着猫です。その歴史は中国のイエネコの歴史でも最も古く、米国科学アカデミーの研究では、5300年以上前に祖先がつながる可能性もあるとされています。

がっちりとした体型のたくましい風貌と猟欲の強さは、現在よりなおヤマネコに近かったはずの祖先猫を想起させます。しかし、チャイニーズ・リー・ファの猟欲の強さはヤマネコ由来というよりも、家庭において穀物をネズミから守るという役割を与えられ、長い間その仕事を果たしてきたことの結果によります。その素朴で強そうな容姿とは裏腹に、家庭猫としての長い歴史から、チャイニーズ・リー・ファは温厚で従順、家族によく懐く、賢く飼いやすい猫であるとされています。その賢さについては、とある中国の軍人が、愛猫のチャイニーズ・リー・ファに対して、主人の命令で新聞を取って来るように訓練したというエピソードとしても伝えられています。

大変古い歴史のあるチャイニーズ・リー・ファですが、純血の猫として世界的な認知を得たのは比較的新しく、21世紀になってからのことです。2003年、チャイニーズ・リー・ファは北京で行われた初の大規模なキャットショーに初めて出陳され、2005年にはCAAのショーでチャンピオンとなりました。2010年にはCFAのアメリカでのショーでも出陳され、新しい猫種あるいは実験的な猫種として予備登録を受けることになりました。広いアメリカでも数十頭ほどしかいない極めて珍しい猫種ですが、ほかの猫種でもよく見られるブラウン・マッカレルタビーのみの毛色であり、猫愛好家からも本種を強く求められるチャンスがあまりないという事情があります。そのため、純血種としての維持・拡大が今後も難しいと考えられることから、現在CFAでは猫種としての正式な登録は見送られています。

一方、原産国である中国では、キャットショーでの優勝をきっかけにチャイニーズ・リー・ファの人気を盛り上げようと、テレビシリーズに取り上げられたこともありました。家庭猫として大切にされているチャイニーズ・リー・ファは、交配で子猫を作ろうとするとき、飼い主により結婚式を挙げられることもあるほど愛され親しまれてきた猫であり、中国人にとっては自慢の猫なのかもしれません。

チャイニーズ・リー・ファの飼い方

チャイニーズ・リー・ファは、若猫のうちは特に活発で、運動を好みます。また、ネズミ駆除の仕事を長年請け負ってきたことから、運動不足ではストレスがたまります。太りやすい傾向もあるので、十分な運動スペースを用意し、キャットタワーやネズミを模したおもちゃなどを用意してあげましょう。

また、チャイニーズ・リー・ファは優秀なハンターですので、家の中の思わぬところからネズミや昆虫をくわえてくることがあります。特にネズミは重大な感染症の原因にもなりますので、捕まえてきたときは取り上げて処分し、食べさせないようにすることが大切です。
ハムスターや小鳥を飼育しているご家庭では、これらのケージを厳重に猫と隔離する必要があります。

精神的に落ち着いた猫ですので、留守番も可能です。愛情深い猫ですが、しつこくはなく、成猫になると家族との距離をじょうずに保ちながら生活することを好みます。

短毛ですが被毛は厚いため、定期的なブラッシングで抜け毛を取り去ってあげましょう。

チャイニーズ・リー・ファの毛色

ブラウンのマッカレルタビーで、毛の根元が濃色、毛先に向かって明るくなるティックドカラーヘアです。

チャイニーズ・リー・ファの気を付けたい病気

チャイニーズ・リー・ファは長い歴史をもつ土着猫で、健康な個体が多く、遺伝的に重大な疾患はないとされています。
基本的に健康な猫ですが、運動不足が続くと太りやすくなります。高齢になって運動量が落ちたときは、食事の内容に工夫をしてあげましょう。